/---------------------------------------------------------------------
【毎日かかさず英語でブログ!】 vol.33(2006/11/09)
英語のことは Google 先生に聞け!
/---------------------------------------------------------------------

私の英語ブログは↓こんな感じで相変わらずタンタンと続いていますが、

http://mochi.blogs.com/

私以外にも、複数の読者の方から
「去年英語ブログを立ち上げて以来、もう一年も続いてます」みたいな報告を
いただくようになりました。すばらしい!感無量っす♪

さて、今から3つの画期的な英語トレーニング方法を紹介します。

・かなり使える方法です。
・いずれも、十年前にはあり得なかったくらいの画期的な方法です。
・「毎日かかさず英語でブログ」という効果絶大な方法を
 さらに強化&補完する方法でもあります。

それはどんな方法なのか?一言でまとめると、

「Googleを英語の先生として活用してしまおう」

ってことになるのですが、これだけじゃ何のことだかわかりませんね。
では早速、詳しく見ていくことにしましょう。

■英語の先生としてのGoogleコーパス

今あなたの目の前に英語の先生がいたとして、あなたはこの先生にどんな質問
をしますか?よくある典型的な質問のパターンはこんな感じになると思います。

質問その1:「hogehogeという英語はどういう意味ですか?」
質問その2:「fugafugaという表現は英語として正しいですか?」
質問その3:「こんなとき英語ではどう言えばいいですか?」

実は、これらの質問に対して、いつでも、どこでも、嫌な顔一つ見せずに、素
早く、的確に、無償で答えてくれる先生がいます。そう、その名はGoogle先生。

ご存じの通り、Googleはインターネットの検索サービスなわけですが、見方を
少し変えると、人類史上最大の「コーパス」と言うことができます。コーパス
というのは言葉のデータベースのことで、従来は言語学者が地道にコツコツと
自然言語を拾い集めて作成し、言葉についての研究や辞書を編纂するときの基
礎にしていたものです。でも、コツコツした作業は人間よりもコンピュータの
得意分野。Googleはその誕生とともに、あっという間に史上最大のコーパスに
なってしまいました。しかも、今こうしている間にも、Googleのコーパスは、
アップトゥーデートに更新され、どんどん成長しています。

あり得ないくらい幸せなことに、私たちはこのコーパスを好きなだけ自由に使
うことができます。うまく使えば、そこいらの英語教師よりもよっぽど頼りに
なる存在。それがGoogle先生です。
こんなに素晴らしい先生を活用しないなんて、もったいなさすぎ!

というわけで、Google先生の具体的な活用方法を順番に紹介していきましょう。

■その1:単語が脳みそに刻み込まれる穴埋め検索
(「hogehogeという英語はどういう意味ですか?」に対する回答)

英文を読んでいて未知の単語やフレーズに遭遇したら、あなたはどうしますか?

ふつうの人は辞書を引きます。私も学生の頃、リーダーの教科書の行間を辞書
の訳語で埋めていました。そして、期末試験が近づくと単語帳にまとめて転記
して丸暗記して、試験の終了とともに全てを忘れ去ってしまうというパターン
の繰り返し。あとに残るのは試験の点数だけ。…最悪です。

「調べた単語のせめて半分でも、忘れずに覚えておけたらいいのに…」
そんなうまい話、あるわけないとあきらめていませんか?
実はね、あるんですよ。(…なんか、怪しげなセールストークっぽいですね)

ズバリその方法とは…、

「調べたい言葉をググる」

そんだけのことですが、もう少し説明すると…、

調べたい言葉をググると、その言葉を含んだページのリストが延々と表示され
ますね。リスト中では、検索した言葉の部分が太字で表示され、その前後の数
センテンスが読めます。このリストのセンテンスを、片っ端から読んで、太字
の言葉の意味を推理&穴埋めしてしまおうというのが、ここでの方法です。

以下、つい最近の私の実例でこの方法をシミュレーションしてみましょう。

例として適当かどうかわかりませんが、ローカルニュースのヘッドラインで
↓こんなのがありました。

"Bail hearing for three teens accused of hatchet attack in Surrey"

私にとって未知の単語はbailとhatchet。さあどうするか?
(ちなみにaccused ofは訴えることで、Surreyは地名です)

といってもググるだけなのですが、そのままググると検索結果が多すぎるので
次のように絞り込みました。

>> bail -intitle:bail site:cnn.com

※検索の意味は、bailという単語を含むページで、タイトルにbailを含まず、
 cnn.comのサイト内にあるもの、ということになります。
※-intitle:を指定することで、bailの定義を直接載せている英英辞典のサイ
 トなどを排除しています。
※検索オプションについての詳細は前回のメルマガを参照してください。
http://eigodeblog.com/archives/backnumbers/000151.html

検索の結果、文中にbailを含むリストが12,400件得られました。あとはこれを
片っ端からスキャンして、bailの意味がわかるまで追跡するだけです。他に知
らない単語が出てきてもとりあえず無視。今はただ、bailという一語に集中し
てその意味を頭の中でmake senseするのが目的です。

リストをスキャンしていくと、courtとかkillerとかchargeといった、ちょっと
物騒な単語が並んでいて、released on bailという表現がよく使われているよ
うです。私の場合は、$250000 bailというところでピンと来ました。

「ああ、保釈(金)のことだ!」

英和辞典を引けば、bail=保釈(金)という答えは、数秒で手に入れられます。
でも、数分後には忘れてしまう。それに対してこの方法は、答えを手に入れる
までにかかる時間は少し長くなりますが、記憶に刻まれて、はるかに忘れにく
いはず。長い目で見れば、非常に効率が良いといえるでしょう。

しかも、文脈(コンテキスト)の中から知らない単語の意味を補完するという、
非常に有効な言語能力を鍛えることができます。実生活の中で知らない単語に
遭遇しても、うろたえずに何とか対処できるというのはとても心強いことです。
ある意味、単語を余分に知っていることよりも大切なことだと思います。

よくよく考えてみると、私たちが新しい日本語の言葉を身につけるときも、こ
れと似たような手続きを取っていることに思い当たるはずです。日常生活の中
で新しい言葉に遭遇しても広辞苑を引く人は少ない。ふつうの人は、そんな面
倒なことはせずに、その言葉がいろんな場面で実際に使われているのを読んだ
り聞いたりしながら、自分なりの解釈で頭の中の単語辞書に組み込んでいく。
違いますか?

この方法は、特に慣れないうちは、回り道をしているようなイライラ感に押し
つぶされそうになるかもしれません。でも、正しい答えが思い当たってピンと
来たときの爽快感は格別です。謎解き推理ゲームを解く要領で、未知の言葉の
意味を浮き彫りにしていく感覚を楽しめると思います。新しい言葉に遭遇した
ら、あなたもぜひこの方法を試してみてください。

余談ですが、昔セーリングスクールで船の装備を勉強していたときに、水をか
き出す手桶のことをbailerと言っていたのを思い出しました。適当かどうかは
別にして、私の頭の中ではbailという言葉が、「保釈されて拘置所から出てく
るホリエモン」「$マーク」「船の水をかき出す手桶」という3つのイメージ
に有機的につながりました。私はたぶん、二度とこの言葉を忘れることはない
と思いますが、さらに、bailという言葉を使って英語ブログのひとつでも書け
ば、もう完璧でしょう。一生忘れないと思いますよ♪

■その2:正しいかどうかを判定する多数決検索
(「fugafugaという表現は英語として正しいですか?」に対する回答)

この方法もすごく利用価値の高い方法です。

英語ブログに限らず、英文を書いたり話したりするとき、自分の組み立てた言
葉が英語として正しいのかどうか、確信を持てないことがよくあるはずです。

「この英語表現ってアリ?」という疑問。

そんなとき、自分の組み立てた言葉に確信が持てないからと言って、いちいち
言葉に詰まったり、英語ブログが滞っていたとしたら、一歩も前進できません。
きっと、一生英語が使えないままで終わってしまいます。

では、どうするか?

一番良いのは、ネイティブにチェックしてもらい、早めに矯正することですが、
ネイティブ添削は有料サービスなので(♪)、ここでは他に無料で使える方法を
紹介しましょう。

ズバリその方法とは…、

「その表現をダブルクォーテーションでくくってググる」

です。具体例で説明しましょう。

たとえば、「インターネットでほにゃらら」というときに、あなたは、
"in the Internet"と"on the Internet"のどちらを使いますか?
判断に迷ったら、次のように2通りの方法でググって、ヒット件数を比べます。

>> "in the Internet" 704万件
>> "on the Internet" 2億200万件

※ダブルクォーテーションでフレーズをくくると、そのフレーズに完全に一致
 する検索結果のみが表示されます。
※検索オプションについての詳細は前回のメルマガを参照してください。
http://eigodeblog.com/archives/backnumbers/000151.html

ここでは圧倒的に"on the Internet"が優勢であることがわかったので、特に
理由がなければ"on the Internet"を使った方が無難なようです。

ただ、忘れていけないのは、"in the Internet"も704万件も使われているとい
う事実。中には誤用されているケースもありますが、全部が全部間違いとは断
言できないところが言葉のおもしろいところだと思います。

言葉は、文法が最初にあって、学者がその正否を判定するものではありません。
多くの人が生活の中で使いながら、多数決によって流動的に変化して行くもの
だと思います。そういう風に考えると、このGoogleを利用した多数決検索は実
に理にかなった方法だと思いませんか?

余談ですが、このメルマガの57行目で、「もったいなさすぎ」という表現を使
いましたが、実は「もったいなさすぎ」と「もったいなすぎ」のどちらが正し
いのかちょっと悩んで、多数決検索のお世話になりました。ちなみに結果は、

>> "もったいなさすぎ" 36,800件
>> "もったいなすぎ" 18,500件

でした。いやあ、日本語でも使えるなんて便利便利♪

蛇足ですが、多数決検索については、↓こんなおもしろいサイトもあります。

Google 多数決 http://aql.osx.cc/GoogleMajority/
Google Fight http://www.googlefight.com/

■その3:コンテキストからの逆引き検索
(「こんなときどう言えばいいですか?」に対する回答)

実は3番目の方法は、以前このメルマガや、朝日新聞アエライングリッシュの
取材のときにも紹介した方法なのですが、個人的には一番利用頻度の高い方法
なので、ここでもういちど改めて紹介しておきます。

何か言いたいことや説明したいことがあるのだけど、英語でどう表現して良い
のか見当がつかない場合、あなたはどうしますか?

日本語で文章を組み立ててから和英辞典で逐語訳していくという方法もありま
すが、あまりおすすめできません。日本語がいつまでも頭の中に居座ってしま
い、英語を英語として運用できるようにならないからです。

じゃあ、どうするか?

ここでもやっぱり、Google先生が登場するわけですが、

「自分の言いたい表現が含まれるはずの英語ページを頭の中で想定し、そこで
 当然使われるているであろうキーワードをならべて検索してみる」

というのがコツになります。

たとえば、

「パンケーキを焼くときに表面がぶつぶつしてきたら裏返す」

というのを英語で何と言うか調べるには、パンケーキのレシピのページにその
ような表現があるに違いないと想定して、

>> cook pancake

などのキーワードをならべて検索してみます。すると、パンケーキの焼き方に
関する英語のページが200万件以上ヒットするので、その中から気に入った表
現を拝借してくればいいわけです。

パンケーキの焼き方に関連する表現が生きた文脈の中でまとめて目に入ってく
るので、いちいち和英辞典で逐語訳するよりもはるかに効率的だし、より自然
な表現が身につくはずです。

こんな感じで仕入れた生の表現を、がしがし自分の英語ブログに取り込んで、
自分自信の言葉にしていけば、そりゃあもう、言うことなしでしょう♪

■まとめ

以上、Google先生に英語の質問をする3つの方法を紹介してきました。勝手な
命名で僭越ですが、「穴埋め検索」「多数決検索」「逆引き検索」の3つです。

「穴埋め検索」は新しい単語やフレーズを覚えるのに極めて有効な方法です。
「多数決検索」は判断に迷ったときにビシッと白黒をつけてくれます。
「逆引き検索」は新しい表現を仕入れるのに最高の方法です。

Google tipsの一部だと言われてしまえばそれまでですが、10年前にはあり得な
かった夢のような方法だと思います。利用価値はかなり高いです。英語ブログ
にかぎらず、日々の英語トレーニングに有効活用してみて下さい。

あと、他にもうまい方法があったら教えて下さい。info@otonanoeigo.com まで。

↓よろしければ添削サービス(有料)もどうぞ♪
http://eigodeblog.com/archives/service/

↓まだ英語ブログをはじめてない人は無料レポートでも読んでみたら?
http://eigodeblog.com/archives/000138.html

■編集後記------------------------------------------------------------

ただ今、バンクーバー時間で火曜日の朝5時。外は雨。ダウンタウンの喫茶店
で昨夜から夜更かしして、なんとかひととおり書き上げました。でも、夜中に
書いた文章は、ハイテンションでぶっ飛んでいるケースが多いので、しばらく
冷ましてから配信するつもりです。なんか、一通のメルマガに時間かけすぎ。
もっと軽量化して配信頻度を上げた方がいいなあ。

ホームページの更新も滞りがちだったのに、突然アクセスが増えて、どうした
のかなと思ったら、↓こんなところでさりげなく紹介されていました。
「インターネット時代のお手軽英語勉強術」
http://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/0611/01/news050.html
http://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/0611/08/news082.html

すみません。諸般の事情でメルマガの配信が滞りがちです。
次回配信分からスタイルを変えようと計画中。一回のメールを軽量化して、そ
の分、配信頻度を上げようと考えています。年内にはなんとか…♪

/---------------------------------------------------------------------

※ホームページ: http://eigodeblog.com/
※添削サービス: http://eigodeblog.com/archives/service/
※メルマガ解除: http://www.mag2.com/m/0000158492.htm (まぐまぐ)
※メール連絡先: info@otonanoeigo.com (もちづき)

Copyright (C) 2006 eigodeblog.com & K.Mochizuki All Rights Reserved.