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【毎日かかさず英語でブログ!】第6号 2005/07/01
 ~ タンゴとブログのコラボレーション!? ~ 発行部数1,261部
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望月@バンクーバーです♪

今週のお題は、ボキャブラリーと英語ブログの関係について。
英語でブログをつけると、ボキャブラリーが無理なく増えていいよぉ、という
はなしです。

書いてるうちに、力が入って、かなりの長文になってしまいました。
少し理屈っぽいかも。
でも、自分で言うのもヘンだけど、なかなかいいこと言ってます。
最後まで読んでみてください♪

それでは早速、本題にはいります。
題して『タンゴとブログのコラボレーション!?』

■日本語と同じように英単語を覚える

唐突ですが「カテキン」という言葉、ご存じですよね?
「あの緑茶に含まれていて健康に良さそうなやつ」です。
日本に住んでいる方なら、一度は耳にして、知っている単語だと思います。
ちなみに、私の友人で、バンクーバー在住10年になる日本人は、知りませんで
した。

この単語が一般に使われ出したのは、たぶん、ここ数年のことです。
少なくとも十年前にこの単語を知っていた人は、一部の専門家だけでした。
つまり、この数年間であなたが新しく覚えた単語のひとつということです。
ここで、ひとつ質問。

「カテキン」という単語を覚えるために、あなたは何をしましたか?

単語帳や単語カードをつくった人はまさかいないですね。
辞書を引いた人もほとんどいないはずです。
では、どのようにして覚えたか?

テレビや雑誌で目にして、日常生活の中で何度か使っているうちに、何となく
自然に覚えてしまったのではないですか?
そして、あなたが日常使っている日本語も、ほとんどは、そのようにして自然
に覚えてしまったものではありませんか?

ここに、言葉を覚える際のヒントがいくつか隠されています。
英語を覚える際にも、そのまま応用できるはずです。
少し詳しく見てみましょう。

■言葉=雲のイメージ

今、あなたの頭の中で「カテキン」という言葉がどのように格納されているか、
ちょっと考えてみてください。

カテキン…カテキュー(阿仙薬)から精製する黄色の非結晶化合物。植物界に広
く存在し、タンニンの成分となる。抗酸化作用・抗菌作用をもつ。(広辞苑)

こんな↑辞書的な定義を覚えている人はまずいないはず。
私の頭の中では、こんな↓感じです。

(緑茶に入っているやつ)
(渋い感じ)
(でも体に良さそう)
(ばい菌をやっつけてくれる?)
(テレビCMで、女の子がバク転してたなあ)
(語感がシャキーンとした感じ?)
(「カテキンパワーで強力脱臭」)
・・・

このように、おぼろげなイメージやフレーズがいくつか重なり合って、
「カテキン」というひとつの単語を私の頭の中でまるで雲のようにゆる~く
規定しています。

そうです、言葉はまさに雲のように、ぼやーっとしたものです。
「雲」ではなく「イメージ」と言い換えてもいいし「印象」と言ってもいい。

そして幸いなことに、人間の頭は、この雲を扱うのに適したようにできている。

っていうか、

「人間の頭で取り扱いやすいように、言葉はできている」といった方が正しい。

だから、単語集とかを使って、無理矢理パソコンのメモリのように人工的にきっ
ちりとした箱に収めようとするとうまくいかないことが多いのです。

では、具体的にどうすればいいか?
これから、この「雲」の取り扱い方について、ちょっとしたコツを紹介します。
このコツを使えば、新しい英単語を覚えるときにも、かなり楽になるはずです。

■雲の取り扱い方その1:浮かべてつなげる

英文を読んでいて、知らない英単語に出会ったら、ふうつ、辞書を引きますね。
辞書をひくとき、あなたは具体的にどうしていますか?

単語帳に書き写したり、マーカーで色を塗ったり、辞書の説明を最初から最後
まで読んだり、・・・。もう気付いていると思いますが、疲れるだけで記憶に
はあまり残りません。残るのは疲労感とみせかけの充実感だけ。

私はこうしています。

「辞書の説明と例文を読みながら、その言葉に対するイメージを雲のように
 頭の中の空間に浮かべてみる。イメージが浮かんだらそこで辞書を閉じる。」

・・・イメージマッピングです。

このとき、その言葉だけを単独で浮かべても、10秒後には消えてしまいます。
だから、なるべく他の言葉とつなげてかたまりにします。つなげ方には大きく
2とおりの方法があります。

A:例文の中で、他の単語とつなげてかためてしまう
B:関連語(類語、反対語、派生語など)を近くに浮かべて、つなげてしまう

具体的な実例は、電子辞書の話をするときに紹介しますが、とにかく他の言葉
とつなげてなるべく大きなかたまりにするのがコツです。

人間の頭はザルのようなもので、細かい粒々よりも、少し大きなかたまりの方
が取り扱いやすいみたいです。パソコンのメモリとはかなり違いますね。

■雲の取り扱い方その2:繰り返し使う

言葉の雲を浮かべても、しばらくすると、まさに雲のように消えてしまいます。
消えないようにするための方法は一つしかありません。
その言葉に繰り返し触れて、使うだけです。

繰り返し使って、撫で回しているうちに、言葉の雲が手あかにまみれて、輪郭
がはっきりとしてきます。そうなると、忘れにくい。
とても、単純なことです。ただ、ひたすら使うだけでいいのですから。

ここで、

「言葉を覚えるためには、何回もその言葉を使わなければいけないのか。
 大変だなあ。」

もしそう感じたとしたら、あなたは根本的に間違っている!

言葉はそもそも、覚えるためにあるのではなくて、使うためにある。。
ただ使っているだけで、あとは頭が勝手に覚えてくれるのだから、むしろラク
チンだと考えるべきです。

それから、こんな疑問をもつ人がいるかも知れません。

「何回くりかえせばいいのか?どのくらいの頻度で繰り返せばいいのか?」

こういう発想も捨てた方がいいです。
回数を数えたり、時間を計ったりするヒマがあったら、その分余計に繰り返し
て使いましょう。あなたは「カテキン」の使用回数を数えましたか?

■雲の取り扱い方その3:迂回と類推

「カテキン」を辞書で引いたことのある人は少ないと思います。

言葉の雲は、いくつかつながって大きな雲になり、意味を構成します。
このとき、大きな雲の一部が欠けていても、あまり問題になりません。なぜか?

類推と迂回により、欠けている部分を補完できるから。

つまり、

英語を読んだり聞いたりしているとき、知らない単語があっても、前後関係と
か文脈から類推をして穴を埋められます。
英語を書いたり話したりしているとき、最適な単語が思い浮かばなくても、他
の表現で迂回することができます。

この、類推と迂回は、言葉を運用する際に非常に有効なテクニックです。
新しい言葉を覚えることも重要だけど、それ以上に、このテクニックを磨くた
めの練習をすべきだと思います。

実は、単語を覚えるのに、辞書は絶対必要なものではありません。
日常の中で言葉を使いながら迂回と類推を繰り返して、自然にボキャブラリー
の雲を厚く大きく膨らませていくことが可能です。むしろ、こちらの方が本筋
です。だって、辞書ができるずっと前から言葉は使われていたのですから。

日本語をおぼえるとき、どうだったか思い出してみてください。
あなたは、国語辞典や広辞苑をひきまくりましたか?

中学生くらいの初級レベルで、辞書に頼るのはやむを得えません。
でも、その後は、なんでもかんでもすぐに辞書に頼るという姿勢を改めた方が
良い。

読んでるとき、聞いてるとき、知らない単語がでてきても、「類推」によって
穴を埋め、とりあえず先に進んでしまう。
書いてるとき、話してるとき、ぴったりの表現が浮かばなかったら、他の表現
で「迂回」して、とりあえず先に進んでしまう。

こういうことを何度も何度も繰り返していると、そのうちに、その穴の部分が
いつのまにか、継ぎ目無くきれいにふさがってしまっていることがあります。
まるでジグソーパズルのように。最も自然で無理のない流れですね。

■雲の取り扱い方その4:意識しない

言葉は雲のようなモノ。
無理に覚えようと意識し過ぎると、雲のようにすうっと消えてしまいます。
まさに、雲をつかむような話です。

でも、意識しないというのは実は非常に難しい。
私は南の島でスキューバダイビングをするのが好きです。はじめたばかりのこ
ろ、インストラクターから呼吸を意識するなと言われて、とても困りました。
意識するなと言われると、ますます意識してしまって、無駄に空気を消費して
いました。

新しい言葉に出会ったとき、無意識のうちに自然に覚えてしまえたら理想です。
プロ野球ファンが野球選手の名前を苦もなく覚えてしまえるように。
子どもがポケモンのキャラクターを苦もなく覚えてしまえるように。
女性がファッションブランドの名前を苦もなく覚えてしまえるように。
・・・

どうすれば意識しないで覚えられるか?
答えはわりと単純です。
「テーマそのものに興味を持つこと」です。

半年くらい前に、私は「ダビンチコード」という推理小説を原文で読みました。
世界的なベストセラーで日本語訳も出ているので、既に読まれた方も多いと思
います。
キリスト教関係の言葉やフランス語が頻出する推理小説で、1ページ中に知ら
ない単語が10個以上という状態でしたが、ほとんど辞書を引かずに読めてしま
いました。
今はもうだいぶ忘れてしまいましたが、読み終えた直後は、キリスト教関係の
言葉がいくつも頭の中に残っていました。ストーリーのおもしろさに惹かれて、
読み進むうちに、無意識に言葉の雲ができていたのだと思われます。

要するに、興味のあるテーマを中心に英語を使っていれば、意識しないうちに
いつのまにか覚えられて効率がいいですよ、ということです。

■今回のまとめと次回の予告

あれこれお話しして、最後はいつもの結論に無理矢理持ち込むというのが、
このメルマガのパターンになってしまいました。今回も同様です。

今回の話をまとめると、・・・

言葉は雲のようにあいまいなモノで、取り扱いにはちょっとしたコツがいる。
そのコツは人間が本来もっている能力を使うだけなので、難しいことはない。
その証拠に、今あなたは、日本語でこのメルマガをちゃんと読めている。

言葉の雲を扱うコツとは、
・言葉の雲を頭の中に浮かべてつなげて大きなかたまりにする
・繰り返し使うことで輪郭がはっきりしてくる
・迂回と類推によって雲の穴を埋めることができる
・無意識に覚えるのが一番効率が良い

そして、これらのコツを自然に身につけるには、興味のあるテーマで英語を使
いまくるのが一番。もっと具体的に言うと、結局、いつものアレです。

 「毎日かかさず英語でブログをつけよう!」←これだけ(16回目)

それから、最後にひとつだけ補足。「辞書は絶対必要なものではありません」
といいましたが、くれぐれも誤解しないでください。

辞書に頼って、知らない単語を機械的にひきまくるのはやめた方がいいけど、
どうしても気になる単語をピンポイントで引くのはとても効果的です。
とくに、最近の電子辞書は、複数の辞書を引き比べられるので最高。
次回はこのへんの話をやる予定です。

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遠慮無くどしどしメールでご連絡ください。必ずお返事するようにしています
ので。是非お願いします。(あなたの一声がこのメルマガのエネルギー源です)

■編集後記-------------------------------------------------------------

「けっこんをぜんていにつきあってください!」ほとんどこの決めぜりふだけ
を暗記して、友人のカナディアン男性が日本人女性に挑みました。彼女からの
返事は「はい」という即答。大喜びで幸せの報告メールがハワイから届きまし
た。私もうれしくてちょっと涙が。大男二人が小さな密室で向き合って何度も
練習した甲斐があったってものです。よかったよかった♪この決めぜりふを私
自身は一度も使ったことが無いというのがちょっと微妙な気分ですが…

たったのひとことでも、使い方を選べば、こんなに幸せになれるんですね。昔、
1万語覚えなければ英語は使えるようにならないとか言ってた先生がいたけど、
そういう考え方をまず捨てない限り、十万語覚えても英語は使えるようになれ
ないとマジ思います。使えば使うほど使えるようになる!それにはやっぱり、

 「毎日かかさず英語でブログをつけよう!」←これだけ(17回目)

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