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【毎日かかさず英語でブログ!】第7号 2005/07/08
~ 世界最高の電子辞書を使いたおす ~ 発行部数1,268部
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望月@バンクーバーです♪
先週のメルマガでは単語の覚え方について紹介しました。
かなり力を入れて書いた甲斐があり、多くの方から好意的な反響をいただき、
とてもうれしかったです。予想以上の大反響でした♪
がしかし、喜んでばかりはいられない事態が発生。
みなさんからの大きな反響と期待が、逆に大きなプレッシャーとなり、
なかなか今週分のメルマガが書けない!
規模はかなり違いますが、売れっ子作家がプレッシャーに負けて精神的にヘン
になってしまう気持ちが、少しだけわかるような気が…。(^_^;)
同じことは、英語のブログでもたまに起きます。
思わぬところでコメントがついて、必要以上に褒められたりすると、次の日が
とても書きにくい。
人の目を気にしながら文章を書くというのは、緊張感があってとてもよい練習
になるし、それこそが、個人的な日記とブログの最大の違いな訳だけど、でも、
あんまり人目を気にしすぎると自分のペースや力量を見失ってしまう。
無理して、苦しくなって、止まってしまったら意味がない。
だから、自分のペースに戻って、淡々と続けるだけですね。
というわけで、今週は、電子辞書のはなしです。淡々と…。
■世界最高の辞書
2年前はじめてバンクーバーに来たとき、しばらくESLスクールに通いました。
ESLというのはEnglish as a Second Languageのことで、世界中の国から、
英語を勉強しに学生が集まってくるところ。いわゆる語学留学です。
私のクラスは定員が7人で、一週間単位で学生が入れ替わっていました。
世界中の非英語圏の国からいろんな学生が入ってきました。
覚えているだけでも、中国、台湾、韓国、タイ、モンゴル、フランス、スイス、
ドイツ、ポルトガル、ロシア、メキシコ、ブラジル、チリ、サウジアラビア、
コロンビア、そして日本。
それで、今時の学生は、ほとんどが電子辞書を使っていて、休み時間になると
各国語バージョンの電子辞書の品評会がはじまるわけです。
結果は、もちろん、日本の圧勝♪
日本製以外の辞書はすべて、英単語とそれに対応する訳語が載っているだけで、
例文や語法の解説など、紙の辞書の内容がまるごと電子化されているのは、私
の見た限り日本製だけでした。しかも、複数の辞書が搭載されていて、辞書間
の移動など、細かい使い勝手にまで配慮が行き届いている。もう、日本製最高!
21世紀の日本に生まれて、英語を勉強していて、
それなのに電子辞書を使わないというのは、
か・な・り もったいないです。
実は、4年くらい前まで、わたし自身、電子辞書なんてオモチャだと思ってい
ました。でも、あるとき、ヨドバ○カメラの店頭で、ちょっと触ってみて、予
想以上によくできているのに驚いて、即買いしました。それ以来、紙の辞書は
使っていません。今時の日本製の電子辞書は紙の辞書を完全に凌駕しています。
決して安い買い物ではないけれど、まだ使っていない方はこれを機会に使って
みることをおすすめします。
それで、例によって、各社製品の比較検討はスキップして、おすすめの一台は
↓こちらです。
http://tinyurl.com/cekty (私自身、毎日使っています)
ただ、小さい文字が見えにくい人には↓こちらをおすすめします。
http://tinyurl.com/cwsme (収録辞書数が多い分、値段も少し高め)
もちろん、これ以上に優れている辞書もあるかも知れないし、新製品もどんど
ん出てくるとでしょう。でも、製品比較にエネルギーを消費したり、新製品を
待って時間をつぶすのは無駄です。本来の目的を忘れてはいけません。
■電子辞書のアドバンテージ
電子辞書の何がそんなに良いのか、さらっと紹介しておきます。
・軽くて小さい
私が今使っている機種には「ジーニアス英和大辞典」という英和辞典が入って
います。この前日本に帰ったとき、紙の版を探してみたのですが、大きな書店
でやっと見つけられました。版が大きすぎて、広辞苑よりも巨大で、普通の書
棚には収まらないため、小さな書店には置けないのだと思われます。そのくら
い、巨大で重い辞書が、クレジットカード2枚分の大きさの箱に丸ごと収まっ
ているというのは凄すぎ。しかも、この機種には広辞苑も収録されています。
・携帯できる
シャツのポケットに収まるくらいの大きさなので、いつでも携帯して、思い立っ
た次の瞬間に使えます。日常生活の中でふと単語の意味が気になるときがあり
ますが、これは単語を覚える絶好のタイミングです。このタイミングを逃さな
いためにも、いつでも携帯できる電子辞書は最高のツールといえます。
パソコンにインストールして使う辞典や、インターネットの辞書サービスもあ
りますが、ふと気になった次の瞬間に、いつでも使えるというわけでは無いの
で、わたし自身はあまり使っていません。
・引くのがラクチン
無作為に10個の英単語を選んで、紙の辞書と引き比べたところ、目的の単語を
表示させるまでにかかる時間は、紙の辞書の半分以下ですみました。しかも、
一度表示させてしまえば、ジャンプ機能を使って同じ単語を他の辞書で引き比
べることができます。紙の辞書だと、はじめから引き直しです。トータルでか
かる検索時間は、4分の1以下になります。
あと、これは私だけのことかも知れませんが、気候のせいだか歳のせいだか、
最近指先が乾燥気味で、紙を1枚1枚めくるのが大変になってきました。その
点、電子辞書なら、ぴっぴっぴっとタイプするだけなので、ストレスフリー♪
・複数の辞書を引き比べられる
電子辞書の最大のメリットです。英英辞典、類語辞典、英和辞典、連語辞典、
和英辞典、広辞苑、…。ひとつの単語をいろんな辞書で気軽に引き比べると、
言葉の雲のイメージがとっても良い感じで広がります。
あることをAさんが言っていた。Bさんも同じことを言っていた。さらにCさ
んも表現は違うけど、同じようなことを言っていた。そうなると、その、ある
ことに対する信頼性がぐっと増します。そして、「これは重要なことなのかも」
という気持ちが無意識に働き、記憶にも残りやすくなります。辞書でも同じこ
とで、一つの単語をいろんな辞書で引き比べてみるのは、とても効果的です。
具体的な方法についてはこの後で紹介します。
・例文検索
辞書中の全例文を対象に、好みの単語でググれる機能です。この単語は実際の
例文ではどのように使われるのかなと思ったときに、瞬間的に検索してくれま
す。紙の辞典では逆立ちしても真似のできない機能です。
・履歴機能
単語を覚えるには、覚える→忘れる→また覚えるという繰り返しが必要になり
ますが、その作業を手軽に助けてくれる機能です。私の辞書では過去に検索し
た履歴が100件分、自動的に記録されて、いつでも呼び出すことができます。
ちょっと時間があるときに、この履歴を見直すと、自然に繰り返しの練習がで
きます。
■やってはいけないこと
先週のメルマガでも話しましたが、言葉は本来、辞書無しで覚えられるもの。
その証拠に、あなたは今までに、どれだけ国語辞典や広辞苑を引いたことがあ
りますか?そんなに使っていないですよね?
英語でも、全く同じことです。言葉は使いながら覚えるのが本来の姿です。
知らない言葉に出会っても、文脈から類推すること。ぴったりの表現が思い浮
かばなくても他の表現で迂回すること。それが大切です。
だから、無闇やたらと辞書に頼るのは良くない。
たとえば、こんな↓使い方。最悪です。
「英文の中で知らない単語を片っ端から辞書で引いて、訳語を書き込む」
「和英辞典を引きまくって、日本語の文章から英文をひねり出す」
そうではなくて、辞書の使用はできる限り我慢して、ピンポイントで使うのが
効果的です。それでは、具体的な引き方を紹介しましょう。
■complyを引いてみる
私自身が最近覚えた言葉で、wilcoというのがあります。
航空無線用語でwill complyの省略だそうです。
同じ意味で、roger(ラジャー)という言葉もあるけど、なんでもかんでもroger
と応えるパイロットはroger pilotといってバカにされるそうなので、wilcoの
方がよく使われるのだそうです。
それで、complyってどんな言葉なのか妙に気になったので辞書で引いてみまし
た。「comply=従う」という大学受験のときの丸暗記の残骸はあったのですが、
妙に気になったもので…。
この妙に気になってという状態が実はとても大切です。興味のあることは頭に
入りやすいですから。
/--↓以下、complyを辞書で引いたときの再現です。-----------------------
私の場合、まずOALD(Oxford Advanced Learner's Dictionary)を引きます。
> to obey a rule, an order, etc:
> They refused to comply with the UN resolution.
と出てきました。ふむふむ、UN(国連)は立場が弱いからなあ。
次に、ジーニアス英和大辞典へ。
> complete
> 要求・命令・規則に従う、応じる(obey)
> 基準を満たす(with)
と出てきました。おぉ、comply = complete + obey かな?
さらに、COT(Concise Oxford Thesaurus)へ。
> abide by, obey, follow, respect;
> agree to, go along with, yield to, submit to;
> satisfy, fulfil
> -OPPOSITES
> ignore, disobey
abide by…知らんな、respect…なるほど、反対語はignoreね。
そしてさらに、COL(Oxford Collocations dictionary)へ。
> ADV: fully, strictly
> VERB+COMPLY: fail to, refuse to
> PREP: with
Pilots can refuse to comply with the instruction of the tower.
みたいな感じで使えそう。
私の電子辞書には上の他に、リーダーズプラス英和辞典とCOD(Concise Oxford
Dictionary)も収録されていますが、今回は使いませんでした。
/--↑以上、再現終わり。-----------------------------------------------
ともかくこんな感じで、頭の中に、complyの雲がもくもくと形成されました。
「comply=従う」という丸暗記の残骸の状態から比べると、かなり立派に育っ
たものです。
ポイントは、
1.本当に興味をもった単語だけピンポイントで辞書を引く
2.辞書を引くとき、覚えようとしないで、ただ雲を浮かべるだけにする
3.いろんな辞書を引き比べて、雲を大きく膨らませる。
4.雲を大きくするとき、例文と語源と類語がとても役に立つ。
5.辞書の内容を全部読もうとしない。わからないところは飛ばす。
ということです。そして、せっかく言葉の雲ができたら、どんどん使ってみま
しょう。積極的に使うことで、はじめてその言葉は自分のものになります。
積極的に使うにはどうすればよいか?
やっぱり、↓これでしょう。
「毎日かかさず英語でブログをつけよう!」←これだけ(18回目)
■英英?英和?それから?
「英英辞典を使うべきか、英和辞典を使うべきか?」
辞書が紙でできていた時代には、この議論が成り立ちました。
重い辞書を2つ持つことはできないから、どちらかひとつという発想。
でも、今は電子辞書の時代。両方使えばいいだけです。
英語と日本語は異質の言語なので、言葉のイメージを浮かべるという観点から
見たとき、一般的には英英辞典の方が優れています。
でも、たとえば、hydrangeaという単語を英英辞典でいくら引いても、まるで、
ナゾナゾですね。英和辞典で引いて「アジサイ」と出れば、一瞬で問題解決す
るのに。
というわけで、英英辞典と英和辞典はペアで使うのが最強です。
和英辞典について言うと、英語でブログを書くのに、和英辞典は必須ではない。
むしろ、なるべく使わない方が良いくらい。
言葉に詰まったら、別の表現で迂回して、なんとかする方が練習になります。
そして、自分の迂回表現があまりにも稚拙でワンパターンだなと感じたら、他
にもっと適切な表現はないのかなあという興味をもちながら、類語辞典を使い
ます。
類語辞典は、その言葉の付近に点在する雲を、一望させてくれるレーダーのよ
うなもので、慣れるととても便利。
類語辞典を引くと、知らない単語が、ぞろぞろと出てくるので、ストレスを感
じるかも知れません。でも、知らない単語はこの際無視して、知っている単語
に目を向けるようにします。すると、既に知ってる単語同士が思わぬところで
つながって、雲がしっかりと固まるのを助けてくれます。
■今回のまとめ
今時の電子辞書は、信じられないほどよくできています。
これを使わないのは、か・な・り もったいない。
電子辞書を使うときは、無闇やたらに単語を引きまくるのではなく、本当に気
になって、我慢できなくなったときにだけピンポイントで引くようにする。
そして、単語を引くときは、英英辞典、英和辞典、類語辞典などで引き比べて、
雲を膨らませていくようにするといい。
そして、ある程度、雲ができたら、その単語を使って英語ブログを書いてみる。
新しい単語がひとつ、自分のモノになる瞬間です♪
結局やっぱり、これ↓ですね。
「毎日かかさず英語でブログをつけよう!」←これだけ(19回目)
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■編集後記-------------------------------------------------------------
もとIT関係だったので、同じくIT関係のビジネスマンとよく会議をしまし
た。すかしたビジネスマンがよく、「コンプライアンス」という言葉を口にし
ていました。そのときは気にもしなかったけど、complyから来ていたんですね。
それにしても、日本はなんだかとても暑いようでお気の毒です。おかげさまで、
バンクーバーはめっちゃ快適。私の部屋は海に面していて、夜、窓を開けたま
まで寝ます。暑くもなく寒くもなく、ほどよい感じ。そして、明け方。太陽が
昇ってしばらくたつと、海から風が吹いてきます。サワサワっとCRISPYな空気
が部屋に入ってきて、自然に目が覚める。あ~、シ・ア・ワ・セ♪
ということで、また来週。
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